奈良・東大寺二月堂のお水取りの夜。大学時代の友人と見物に来ていた香坂季代は、雑踏の中でチョビ髭の男から鬱金の風呂敷包みを受け取る。翌日、季代は友人の柳田由美に包みを預け、旧遊廓・涛洲楼の古美術品売り立て目録を目にした。ホテルに戻ると由美は何者かに連れ出され、翌朝遺体で発見。一方、チョビ髭の男も列車内で絞殺された。背後には古美術を巡る大きな謎が…。宮之原昌幸警部の捜査が始まる。
第一章 奈良東大寺・お水取りの夜
第二章 大阪御堂筋・公孫樹並木の雨
第三章 大和今井・花一輪の夕暮
第四章 富山井波・木彫の里
第五章 高岡・銅器と万葉の街
第六章 奈良ふたたび・血液型の謎
第七章 湖北・十一面観音の夢
第八章 明日香・春の足音
第九章 正倉院宝物・真贋の果て
宮之原警部
香坂 季代
松尾 美佐
仏像・古美術の偽造、贋作にまつわるお話。私に仏像をみることや国立博物館へ"お宝"を観に行くことの面白さを教えてくれた作品です。
お話の冒頭、ヒロイン・季代がチョビ髭の男から受け取った風呂敷包みは、正倉院伝来緑牙撥鏤尺で、「象牙を緑色に染めて花や鳥の文様を彫りこんだ美しい尺」です。私も奈良国立博物館で見たことがありますが、今みることのできるそれは、色もあせ、素人には尺であることもわからない、お世辞にも美しいとはいえないただの象牙細工だと思いました。
中国新聞/ばらの来た道/4.天平の花模様 http://www.chugoku-np.co.jp/kikaku/Rose/010128.html
正倉院宝物緑牙撥鏤尺の写真が載ってるページです。
奈良国立博物館 http://www.narahaku.go.jp/
奈良国立博物館で撥鏤尺にお目にかかれます。
また、毎年秋に1度だけ<正倉院展>が開催されています。
イラスト(敬称略) デザイン(敬称略) 出版 野中 昇 池田 雄一 1987/7 トクマノベルズ
大和いにしえ紀行殺人模様中井 純子 池田 雄一 1991/5 徳間文庫
大和いにしえ殺人紀行坂本 勝彦 1998/11 ケイブンシャ文庫 緒方 ユージ H2 2003/9 桃園文庫