#031 出雲いにしえ殺人事件
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紹介
製薬会社の社長令嬢・橋田久子は、出雲伝説、中でも徐福に強い関心を持ち、白血病と闘いながら綿密な研究を重ね、『もう一つの邪馬台国』という著作を手がけていた。だが、これまで取材に同道していた結城泰代にも内緒で一人で玉造温泉の遺跡へと出向き、何者かに日本刀で惨殺されてしまう。捜査に乗り出した宮之原警部は、久子の陰に見え隠れする男の存在とフロッピーディスクに入れられていた原稿を追うが、一向にその行方が掴めないでいた。そんな折、さらに出雲の郷土史家が毒殺され、宮之原警部は事件の輪郭をおぼろげに見出していくが・・・。
目次
プロローグ
第一章 荒神谷(こうじんだに)遺跡
第二章 徐福の崇り
第三章 徐福上陸の図
第四章 八雲立つ風土記の丘
第五章 第二の犠牲者
第六章 松江で会った女
第七章 赤く染まった闇
エピローグ
主な登場人物
宮之原警部
結城 泰代
橋田 久子
小清水 峡子
おすすめ
宮之原警部の上司兼秘書、またデータバンクともいわれる小清水峡子が初登場。また、宮之原警部シリーズの古代史ものでお馴染みとなる結城泰代も初登場です。ですから、宮之原警部シリーズファンなら絶対に読まなければならない重要作品のひとつです。
タイトルの『出雲いにしえ』に素材は徐福伝説、<橋田久子の仮説は大国主命を徐福の末裔だとしてる>。これについて木谷先生が”あとがき”にこんなことを書かれていました<出雲は徐福が経由しただけの土地らしいのだが、僕のイメージのなかでは、大国主命と徐福が重なるのだ。大国主命はむかしの小学唱歌に「おおきな袋を肩にかけ、大黒さまが来かかると・・・」。因幡の白ウサギを助けてやったと歌われているあの神様なのだ。『出雲いにしえ〜』は、徐福と大黒さまがだぶって感じられる僕のイメージから出発した。徐福と大黒さまでは、歴史的には時代が違うのだが、そこは小説、作者の勝手な空想だと、お許し願うとして・・・> つまり、橋田久子の考察は木谷先生のそれというわけですね。
私は、正直に言って古代史に興味がありませんでした。邪馬台国については中学の教科書で習ったレベルだし、徐福という人のことはこの作品を読んで初めて知ったくらいです。ところが、木谷ミステリーを読んでいると、古代史って面白いなぁと思えるから不思議です。この作品の後、『謀殺列島青の殺人事件』、『「邪馬台国の謎」殺人事件』を続けて読まれると、木谷先生の古代史ワールドへどっぷり浸ることができ、知識と発想の豊かさにあらためて感心してしまいます。
作品中で面白いなと思ったのに『かぐや姫』のことがあります。久子と泰代がかぐや姫について語り合うシーンがあり、かぐや姫が天へ帰っていったのは運命だったからではく、帝の愛に絶望したため自分の意思で帰っていったのだと久子に語らせています。また、事件が解決した後、泰代は久子を”現代のかぐや姫”だったと想うのでした。ロマンチックですね。
参考リンク
邪馬台国大研究/徐福伝説 http://www.inoues.net/yamataikoku/mystery/jyofuku.html
発刊履歴
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イラスト(敬称略) |
デザイン(敬称略) |
出版 |
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村山 潤一 |
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1989/1 廣済堂ブルーブックス |
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中原 脩 |
宮 浩行 |
1996/1 廣済堂文庫 |
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2004/2 双葉文庫 |
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