#084 阿寒湖わらべ唄殺人事件

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 紹介

北海道・阿寒にある次郎湖で、喫茶店ホチコックの経営者・青沼ふき子とホテル森尾の社長・森尾麦彦が殺された。 二人には二十七年前、山で遭難し記憶を喪った瀕死のふき子を森尾が助けたという因縁があった。 青沼ふき子は何者だったのか!? 唯一の手がかりは、ふき子がうたっていた子守唄<竹馬よいち>。 森尾の娘・美弥子は、知人を介して宮之原警部に助けを求め、ふき子の過去をたずねて子守唄のルーツをたどる・・・。

 目次

第一章  次郎湖・蕗の葉をかぶっていた女
第二章  和歌山・わらべ唄の空白域
第三章  東京代官山・完璧なレストラン
第四章  広川・史蹟いなむらの火の堤防
第五章  高梁・備中の小京都
第六章  阿寒・ふたたびの竹馬よいち

 主な登場人物

宮之原警部
森尾 美弥子
小清水 峡子
椎名 桑一郎(椎名紗智の父・民俗学の教授),椎名 紗智

 おすすめ

ヒロインの記憶にあるわらべ唄を手がかりに、宮之原警部が事件の真相に迫る わらべ唄シリーズ。今回のわらべ唄は滋賀県の五個荘町で歌われていた子守唄。(阿寒湖のわらべ唄ではないのだ・・・)

ねんねころいち 竹馬(たけんま)よいち
  竹をそろえて 舟に積む
舟につんだら どこまで行くや
  賽の河原の 橋の下
橋の下には 怖い蛇がござる
  こわい蛇やげな うそじゃげな


ヒロイン美弥子は、この子守唄のルーツをたどるのに、民俗学を研究している大学教授の椎名桑一郎に会って話を聴きます。 この椎名桑一郎がなんと宮之原警部シリーズでお馴染み椎名紗智の父親だったのです!こういう展開はファンにはとても楽しい♪

木谷先生はこの作品中、現代社会に対する警告のようなメッセージを、宮之原警部の台詞を使って訴えています。 日本は国民ひとりひとりが一千万円ずつださないと片がつかない赤字をかかえていることや、公共工事をしつづけなければいけない社会の仕組みのこと、学説や便利すぎるものは信用しない、といったようなことなど・・・

<「椎名さんと知り合ったころ、わたしは五十の声を聞いたら身を焦がすような大恋愛をしたいと思っていた。その大恋愛が終わるころ定年をむかえる。田舎へ引きこもって畑を耕し、雨の日には本を読む。そんな人生を夢みていたんですが、いまのわたしは、できることならテロリストになりたい。」>

学生運動のことは残念ながらコメントできません。作品中、「昭和四十四年」というのが頻繁にでてきますが、それは私が生まれた年だったりします・・・ (^^;;

この作品が発売された当時の背景を象徴しているのが 病原性大腸菌O-157 。この作品を読むと、あの時、食中毒で日本中が大騒ぎしていたことを思い出します。

 参考リンク

阿寒アイヌ工芸共同組合/民芸品と踊りの里 阿寒湖アイヌコタン  http://www.marimo.or.jp/~akanainu/welcome.html

 発刊履歴

イラスト(敬称略) デザイン(敬称略) 出版
オカダ 雄三郎 秋山 法子 1996/9 トクマ・ノベルス
中井 純子 秋山 法子 1999/5 徳間文庫

 現地レポート

2002年ゴールデンウィーク
阿寒湖は完全に観光地でした。遊覧船があったり、土産もの屋やホテルが立ち並んでいて、箱根の芦ノ湖と同じだなぁ、と思いました。 太郎湖と次郎湖にも行きたかったのですが、作品中に紹介されているとおり人の手が入っていない自然の中にあるので、実際どこにそれがあるのか入り口さえまったく分かりませんでした。 残念でしたがあきらめました。 それからアイヌコタンへ行きました。 美弥子が、生前の青沼ふき子のことをアイヌコタンでユーカラ織をしているお婆さんのところへたずねて行った、あのアイヌコタンです。 作品中の描写のとおりのところでした。
アイヌコタンのゲート この写真はアイヌコタンの入口のアーチです。大きなシマフクロウが翼を広げて迎えてくれてます。このフクロウ、「シマフクロウがホチコックを退治する(宮之原警部がふき子の仇をとる)」というところの、シマフクロウ=宮之原警部 のイメージにぴったりだなぁ、と思いました。

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