#108 丹後浦島伝説殺人事件
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紹介
丹後舞鶴の健康器具メーカー社長の一人娘・仙頭千紘は、ある日、見知らぬ女性から、父親の会社が出したという秘書募集広告を手渡された。 そこには、『二十九才で身寄りがなく、血液型がB型』という奇妙な文面が書かれていた。 そのことで千紘が父親への不信感を募らせていた矢先、父・昌博が何者かに殺されてしまう。 さらに、莫大な遺産相続で父の再婚相手と名乗る女性が現れる・・・。 捜査が混乱する中で千紘は、日本唯一の警察庁広域捜査官・宮之原警部と出会い、自らの出生の秘密を暴くことにる事件に立ち向かって行く!!
目次
第一章 奈良竹之内街道・ベルトに挟まった月見草一輪
第二章 丹後舞鶴・再婚していた父
第三章 丹後半島伊根・浦島太郎の故郷
第四章 丹波立杭・未婚の母を離れて
第五章 九州唐津・母を訪ねてきた男
第六章 京都四条・からくり時計がまわるとき
主な登場人物
宮之原警部
仙頭 千紘
祭 睦五郎(奈良県警捜査第一課 警部補)
おすすめ
6歳以下の子供の乗車にチャイルドシートが義務づけられる法律ができたおかげで、急成長を遂げた健康器具メーカーの社長が殺される というのが、このお話の始まり。 このストーリーに対する木谷恭介さんの思い入れは、そのあとがきで熱く語られています。 本編ももちろんですが、あとがきも大好きです。
ストーリーの展開には直接関係ない部分ですが、宮之原警部の台詞をひとつ・・・
<「金融不祥事だとか贈収賄だとかのとき、ほんとうの大物はひとりも責任をとらない。 下っ端は容赦なくやられる。 日本の社会には階級がないといわれていますが、それは嘘ですね。 そういってしまうと身も蓋もないが、いまの日本にははっきりと階級があります。 東大法学部を出た連中が、いまの日本を牛耳っています。 その連中はみんな仲間なんだ。 仲間どうしかばい合っています。 仲間を裏切らないかぎり、死ぬまで面倒をみる互助システムができあがっているんです。」>
このあたり、社会派と呼ばれる所以でありますね。
もちろん、タイトルのとおり、丹後地方を中心に旅情も楽しめます。
丹後半島の伊根に実在する浦島太郎伝説と浦島神社。 神社といえば これも木谷恭介さんお得意分野です。 少しでしたが、日本の神話や古代史,海人部(あまべ)に関する知識をさりげなく披露してくれます。
”やわらべ唄シリーズ”の要素もミックスされていて、浦島太郎の歌も よい具合に活かされています。
特筆しておきたいのが、「陶芸」のことです。
奈良県警の祭睦五郎さんが久々の登場で、宮之原警部が京都へ移り住んで以来の趣味・陶芸の師匠として良いお付き合いが続いているようです。 本編では、伝統工芸・丹波立杭焼と唐津焼の里が重要な舞台として出てきます。
宮之原警部と千紘が丹波立杭を訪ねて・・・
千紘: 「ここ、そんなに有名なんですか」
宮之原: 「それは有名ですよ。 日本六古窯といって、瀬戸、常滑、信楽、備前、越前、それにこの丹波立杭が、平安時代に朝廷から指定された窯、つまり朝廷ご用達の陶器生産地なんです」
最後にもうひとつ、宮之原警部定番の台詞 「親子の絆は血じゃない」 も登場します。
木谷作品の 私が大好きな要素が ぎっしり詰まった作品です。
参考リンク
日本六古窯 丹波焼ホームページ http://www.tanbayaki.com/
千紘が宮之原警部と訪ねた丹波立杭
「陶の郷」では陶芸教室もありますね。いつか行きたいです♪
当サイトのゲスト"丹波の陶工さん" は 丹波の窯元「珀耀窯」の 清水一二さんです。
この作品に登場した 丹波立杭 の本物の陶工さんが 木谷作品のファンでいらっしゃったとは感激しました!!
テレビドラマ
2003.09.08(月) TBS月曜ミステリー劇場にて放送されました。
先にご紹介しました"丹波の陶工さん"には、ドラマの撮影風景など情報提供いただきました(photo掲示板参照)。お忙しいところを本当にありがとうございました。感謝です!!
発刊履歴
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イラスト(敬称略) |
デザイン(敬称略) |
出版 |
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毛利 彰 |
芦澤 泰偉 |
1999/8 ハルキ・ノベルズ |
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毛利 彰 |
芦澤 泰偉 |
2000/4 ハルキ文庫 |
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